解体工事施工技士の仕事内容は？メリットや相性の良い2つの資格についても徹底解説！

解体工事施工技師について興味をお持ちの皆さん、解体工事施工技師の具体的な仕事内容についてご存知ですか。

解体工事を行う際には、解体工事施工技師の知見が非常に役立ちます。

解体工事は常にどこかで行われているものなので、今後も安定した需要があるでしょう。

今回は、解体工事施工技師のメリットや仕事内容について解説します。

解体工事施工技師とは

解体工事施工技師とは、解体工事を適切に施工、管理するために必要となる知識を保有していることを証明する資格のことです。

解体工事は危険かつ複雑なものが多いので、解体工事工法の計画、事前調査や見積りの実施を適正に行う必要があります。

また、解体工事を行う際に使用する機材や重機に関する知識を保有しておく必要があるでしょう。

建設リサイクル法によって定められている資材の回収方法や解体時に発生する廃棄物の処理方法も正確に理解しておく必要があります。

解体工事施工技師試験に合格すれば、これらの専門的な知識を有していることを証明でき、「解体工事施工技師登録者名簿」に登録され、資格者証を授与されます。

有効期間は5年間で、更新時には専用の講習を受講する必要があるので注意しましょう。

解体工事施工技師資格制度が創設された背景について

堅い工事施工技師について、より深く理解するには資格制度が創設された背景を理解しておく必要があります。

様々な要因がありますが、具体的なものとして以下のものが挙げられます。

• 解体工事施工数の増加
• 解体工事難易度の上昇
• 解体工事現場における災害の増加
• リサイクルの取り組み

解体工事施工数の増加

日本では高度経済成長期であった昭和30年から48年以後、数多く建物が建てられました。

構造にもよりますが、日本で建築されている建物の耐久年数は30～50年程度とされているため、現時点において多くの建物が建て替え時期に差し掛かっています。

また、建て替えが必要になる建物の数は今後も増えていくでしょう。

日本は国土が狭く山間部が多いため、人の居住に適した土地は限られています。

そのため、今後も古い建物を解体して、新しいものに建て替えを行なっていくことが必要になるでしょう。

解体工事の難易度の上昇

以前までは、解体される建物の多くは木造の比較的規模が小さい建築物がほとんどでした。

しかし、建築技術が発達するにつれて、鉄骨や鉄筋コンクリート造の建物の数が増え、解体対象になるものも増加しつつあります。

これらの建物を解体する際には、高度な技術が必要になります。

そのため、専門的な知識を持った解体工事施工技師の需要が高まったのです。

解体工事現場における災害の増加

建設業界全体で見た場合、工事関連の災害数は減少傾向にあります。

しかし、解体工事現場における災害数は減っておらず、増えている可能性も示唆されています。

平成26年度に発行された「建設業安全衛生年鑑」によると、建設産業における死亡災害のうち、1割程度が解体工事現場で起きています。

このことからも、解体工事は危険が伴うものであることがわかるでしょう。

解体対象建物がより高層に、より複雑な構造になるにつれて解体工事の難易度も高まり、事故発生確率も上がります。

また、解体工事現場内だけでなく、現場付近の第三者に被害が出るケースも存在しています。

こういった事故を減らすためにも、解体施工技師のような専門家が現場の管理を行う必要があるでしょう。

リサイクルの取り組み

昨今、各社がSDGsを意識した取り組みに力を入れているように、社会全体でもリサイクルへの取り組みが強化されています。

解体工事現場ではガラスや鉄など、多くの廃棄物が出るので、それらを適正に分別して回収する必要があります。

これらを上手に再利用することで、資源不足問題解決にも繋がるでしょう。

解体工事施工技師は、現場で発生した廃棄物のリサイクル方法や処理方法に関しても適切な指示を出します。

解体工事施工技師を保有するメリットについて

解体工事施工技師の資格を保有していれば現場で活躍できることはもちろん、様々なメリットが存在します。

まずは、解体工事施工時、許認可を受ける際に重要な要件を満たせることが挙げられるでしょう。

解体工事を行うにあたって、事業者は建設業許可や解体工事業登録を行う必要があります。

適法に解体工事を行うには、このような手続きを取って公的な機関から許可され、登録を受ける必要があります。

これらの手続きを行わずに解体工事を行なってしまうと法律違反になるので、ご注意ください。

この手続きを行う際に、解体工事施工技師が現場の技術管理者として登録されます。

そのため、解体工事施工技師は解体工事を行うにあたって必要不可欠な存在と言えるでしょう。

また、解体工事は複雑なものなので体系的に必要知識を学習する必要があります。

解体工事施工技師の資格を取得する際には、「解体工事施工技術講習」という全国解体工事業団体連合会による講習を受ける必要があります。

こちらの講習を受けることによって、解体工事の方法や守るべき法律、計画や管理の方法を学べます。

このように、解体工事を行うにあたって必要な知識をまとめて学習できることも、解体工事施工技師を取得することのメリットの1つと言えるでしょう。

解体工事施工技師の仕事内容について

解体工事施工技師は、解体工事の現場管理者としての役目を果たします。

解体工事費用が500万円未満の解体現場では、解体工事施工技師等の技術管理者を必ず置かなければいけません。

そのため、家屋や比較的小規模な建物の解体工事を行う際には、解体工事施工技師は工事現場の管理者として仕事をすることが多いです。

具体的な仕事内容としては、解体工事の見積り作成、解体工事現場や周辺の調査、工事の品質や現場の安全の確保といった施工管理などが挙げられます。

これらに加えて、廃棄物の処分や対策も業務の一部です。

特にアスベストなどの有害な廃棄物に関しては、撤去も廃棄も法律に則って、慎重に行う必要があるので、解体工事施工技師が必要になる場面と言えるでしょう。

解体工事施工技師と相性の良い2つの資格とは

解体工事施工技師と合わせて保有することで相乗効果を得られる資格をご紹介します。

解体工事施工技師に合格したあとに、取得をご検討ください。

土木施工管理技士

土木工事施工管理技士の資格を持っていれば、土木工事に関する施工管理能力や知識が十分にあることを証明できます。

土木工事を適正に行うためには専門的な知識を習得しておく必要がありますが、土木施工管理技士の資格勉強をすることでそれらを体系的に学べます。

1級を保持していると、監理技術者になれるため、昇給や高待遇の職場への転職も可能となるでしょう。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築工事を行う際に必要となる施工計画を作成し、工事現場で指導管理にあたる役目を担います。

建築物の質を高めるために必要となる資格です。

今後、工事現場でより高度な仕事に携わりたい場合、取得しておくことでより多くの仕事に取り組めるようになるでしょう。

まとめ

今回は解体工事施工技師について解説しました。

解体工事施工技師の資格を保有していれば、より多岐に渡る仕事に関われるようになる上、キャリアアップも見込めます。

今後、建築業界で活躍したいと考えている人は取得することで多くのメリットを享受できるようになるでしょう。