解体工事の単価表の内容を紹介！工事費が変動する理由から解体工事以外の費用まで徹底解説！

解体工事の実施を計画中の皆さん、解体工事における単価表についてご存知でしょうか。

解体工事を適正な価格で行うには、費用の内容を正確に理解する必要があります。

単価や単価表の内容を理解しておくことで、提出された見積もり内容を精査できるようになるでしょう。

今回は、解体工事における単価表と相場について解説します。

解体工事の単価とは

解体工事の費用は解体対象建物の構造、規模、立地等によって大きく上下します。

そのため、総費用の金額のみを確認して、高い、安いという判断はできません。

そこで使用されるのが、「単価」です。

解体工事を行う際だけでなく、新築工事を行う際にも利用される単位なので覚えておきましょう。

解体工事における「単価」とは、建物1坪ごとに必要となる解体費用のことを指し、一般的に「坪単価」と呼ばれます。

1坪は約3.3平米なので、平米表記のものは坪単位に変換した上で計算してください。

単価は工事費用の目安となるもので、解体工事に必要な費用の合計を解体対象建物の坪数で割ることで計算できます。

反対に、工事費用を概算する際には、相場の坪単価に坪数を掛け合わせます。

複数の過去事例を参考にすることで、より正確な数値を算出できるようになるでしょう。

解体建物ごとの単価表について

解体建物の作りが強固であるほど、解体作業が困難になるので工事費用も高価になる傾向があります。

建物の構造ごとの10坪あたりの坪単価の目安は以下の通りです。

地域や環境によって単価は上下しますので、実際に解体工事を行う際には依頼検討先業者にご相談ください。

• 木造住宅
• 鉄骨住宅
• 鉄筋コンクリート住宅
• 倉庫
• 土蔵
• 車庫
• 農舎

木造住宅

木造住宅は造りの中でも耐久性が低いとされており、解体も比較的容易とされています。

そのため、単価も安価になる傾向にあります。

目安坪単価は、30万円から50万円程度です。

鉄骨住宅

鉄骨は木造よりも耐久性が高いため、費用も上昇します。

目安坪単価は、50万円から70万円程度です。

鉄筋コンクリート造住宅

鉄筋コンクリート造住宅は住宅の造りの中でも最も堅牢です。

耐震性や耐火性が高い一方で、頑丈なことから解体費用も高額になる場合が多いです。

目安坪単価は、60万円から80万円程度です。

倉庫

倉庫は規模や種類にもよりますが、比較的簡易な造りであることが多いでしょう。

そのため、解体費用を抑えられる傾向にあります。

目安坪単価は、15万円から60万円程度です。

土蔵

土蔵とは、木骨や外壁を土壁でつくり、漆喰等を用いて仕上げたものです。

日本の伝統的な建築様式であり、米や酒などの倉庫や保管庫として使用されます。

目安坪単価は、35万円から50万円程度です。

車庫

車庫は簡易な造りのものは解体も容易ですが、コンクリート造などの堅牢なものは解体工事費用が高額になります。

目安坪単価は、10万円から100万円程度です。

農舎

農舎とは農家の家屋や農作物を処理するための建築物のことを指します。

目安坪単価は、20万円から30万円程度です。

解体工事が変動する要因について

同じ造りの建物でも状況や環境によって解体工事費は大きく変動します。

工事費が変動する要因としては、主に以下のものが挙げられます。

• 延べ床面積
• 現場近隣の状況
• 現場周辺の道路状況

それぞれの要因について確認していきましょう。

延べ床面積

解体工事費用は解体工事単価と延べ床面積を掛け合わせることで計算できます。

そのため、延べ床面積が広くなるほど解体工事費用も高額になるでしょう。

一方で、解体工事単価は延べ床面積が広くなるのに比例して安価になる傾向にあります。

それは解体工事費用の大部分を占める人件費や養生費などは、解体対象建物の規模に影響されにくいからです。

ただ、解体対象建物が大きくなるほど、発生する廃棄物の量も多くなり、処分費が高額になるので注意してください。

このように、延べ床面積が広くなるほど総工事費は高額になるが、坪単価は安価になるケースが多いことを理解しましょう。

現場近隣の状況

解体工事費用は、解体対象建物の近隣状況によっても上下します。

高額になるケースとしては、現場周辺に建物が密集している、敷地が狭い、廃棄物処理場から遠い、といったものが挙げられます。

解体工事を効率的に行うには、大型の重機を使用する場合が多いです。

しかし、現場周辺に多くの建物が建っている場合、大型重機の搬入や使用が困難になります。

そのため、人力や小型重機を使用して解体作業を行うことになり、工期が伸びて人件費が高額になってしまうでしょう。

同様の理由で、敷地が狭い場合も大型重機を使用できないので費用が高額になります。

こういった場合は、坪数が少なくても工事費は高額になるので注意してください。

また、解体工事を行う際には廃棄物が必ず発生します。

これらの廃棄物は現場で適切に分別を行なって、廃棄物処理場に持ち込む必要があります。

そのため、解体工事現場が廃棄物処理場から離れた位置にある場合、運搬費や人件費を多く要します。

現場周辺の道路状況

解体工事現場の周辺道路状況によって、工事費用は上下します。

解体工事現場では大型重機やトラックが頻繁に出入りするため、ガードマンを配備する必要があります。

解体工事現場が角地や複数の道路に面している土地である場合、配置するガードマンの数も増えるため、人件費が高くなるでしょう。

さらに、現場と接する道路との間に段差があって、工事用車両の侵入が難しい場合、歩道の切り下げ工事を行なって段差を解消する必要があります。

そのため、切り下げ工事を行うための費用が追加で必要になるでしょう。

また、解体工事が終了したあとは切り下げた箇所の復旧工事を行う必要があります。

そのため、復旧工事費用が追加で必要になることに加えて、工期の長期化による各種費用の上昇も懸念されます。

このように、現場周辺の道路状況は解体工事費用に大きな影響を与えるので、事前に現場に赴いて周辺状況を確認しておくと良いでしょう。

解体工事単価以外に必要な費用とは

解体工事単価以外にも、追加で必要になるものが複数存在します。

• 建物以外のものの除去
• 地中障害物の排除
• アスベストの撤去

それぞれについて確認しましょう。

建物以外のものの撤去

解体工事を行う際に、解体対象建物内に家電や家具、衣類などの残置物が存在する場合があります。

これらの撤去、廃棄は別に費用がかかる上、手作業で行うため人件費が高額化します。

特に大型家電などはリサイクルが必要になるので、撤去費用が高くなるでしょう。

工事費用を抑えたい場合は、事前にこれらの撤去を済ませておくことをおすすめします。

地中障害物の排除

解体工事を行なっている最中に、予期せぬ地中障害物が発見されることがあります。

残置可能なものでない場合、地中障害物は撤去する必要があるため、追加の工事費用が必要になります。

アスベストの撤去

解体建物が古い場合、建材などにアスベストが含まれている可能性が高いです。

アスベストは飛散すると非常に危険なため、特殊な養生を施したり、専用の装備を使用できる作業員を確保したりする必要があります。

このようにアスベストの撤去は通常の解体工事とは別の方法で行うため、追加費用が必要になります。

まとめ

今回は、解体工事の単価と相場について解説しました。

単価について正確に理解することで、より適正な価格で解体工事を行えるようになるでしょう。

今回、解説した内容を参考にして適切な解体工事を行ってくださいね。